窓に貼って使用するものですが本当に効果があるのでしょうか?
よく勘違いされる結露自体を防止する効果はありません。
発生した結露を吸収するものです。
結露が発生するしくみを解説し、
どういうところで使えば効果があるのかを解説します。
ガラスに貼るのではなく別の方法を提案します。
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結露するしくみ
空気中には水が気体として存在してます。
その水のことを水蒸気といいます。
水蒸気は目で見えません。
温度がさがると空気中に水蒸気として存在できる量が減って
液体になって出てきます。
その様子を飽和水蒸気量で説明します。
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飽和水蒸気量とは、ある温度で空気が含むことのできる水蒸気量です。
①のときは空気の温度が25度で水蒸気が13g/㎥含まれています。
この数字はたまたまです。
加湿器などで加湿したり家の中で鍋をやったりすると上がります。
25度では約22g/㎥まで水蒸気が含めます。
これが飽和水蒸気量で温度によって決まっています。
この状態では結露しません。
温度が下がって②5度になると水蒸気は約6g/㎥までしか含むことができず
それを超えた分7g/㎥が結露として現れます。
これが冬に寒くなると結露するしくみです。
水蒸気と湯気
やかんが沸騰して噴き出してるものを
水蒸気だと思ってる人がいるかもしれません。
これは正解でもあり不正解でもあります。
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①やかん口付近は透明です。ここは水蒸気です。
②やかんの口から少しはなれると白く見えます。
ここは湯気です。
湯気の部分は空気の温度が下がって飽和水蒸気量がさがりますので
飽和水蒸気量を超えた部分の
水蒸気が液体になって湯気として目でみえます。
③湯気が散らばり
温度は低いながらも飽和していない周りのたくさんの空気に
取り込まれ水蒸気になります。
風呂場でも目に見えているものは水蒸気ではなく湯気です。
目で見えなくなったら水蒸気です。
どちらも水ですが気体(水蒸気)か液体(湯気)かで言い分けてます。
湯気よりももっと水の粒が大きいのが結露や水といってるものです。
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水は沸騰しないと気体にならないのか?
逆に水が気体(水蒸気)になってるときはどういうことが起こってるのでしょうか?
水が気体になる時
沸騰(水の温度が100℃になる)してるのかって
疑問を持ってる人がいるかもしれません。
やかんのお湯が沸騰するときのイメージで、
こう考える人もいるかとおもいます。
そんなことはなく温度に関係なく気体になっています。
沸騰してるときは、より気体になりやすいですが。
ただし水のまわりに飽和水蒸気量に達している
空気しか周りになければ
水が入る余地がないので気体になれません。
洗濯ものが乾くのも暑い日のほうが乾きます。
でも暑ければいいってものでもなく梅雨の時期のように
空気に含まれる水蒸気が飽和水蒸気量付近まできていれば乾きにくいです。
洗濯ものが1番乾くのは暑くて風がある日です。
あったかい乾いた空気(空気に含まれる水蒸気が全然少ないもの)が
入れ替わりで洗濯ものに当たる時です。
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除湿器のしくみ
除湿器は空気の飽和水蒸気量を利用して除湿を行っています。
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①の水蒸気を多く含んだ空気を
冷却器にあて空気を冷やします。
空気の温度が下がると飽和水蒸気量が下がり結露します。
結露した水滴をタンクに溜めます。
出てきた空気②は結露した分
水分が抜けて①よりも乾燥した空気になります。
窓の結露は、いってみれば除湿器です。
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結露する場所
結露する原因は空気が冷たくなり
水蒸気を蓄えることのできる飽和水蒸気量が下がることで
結露することが分かりました。
空気が冷たくなるのは冷たいものと接したからです。
つまり窓の冷たい場所で結露します。
雨戸を閉めた状態で
朝、結露してる場所は
ガラスよりも窓サッシのほうが結露していませんか?
雨戸を閉めている場合、雨戸と窓ガラスの間には空気があるので
寒さが伝わりにくいです。
熱の伝わりやすさ(熱伝導率)は
窓サッシ(アルミ)209>ガラス1>空気0.025(単位はW/(m・K))の順で
窓サッシが1番熱を伝えやすいです。
ちなみに木材は0.1~0.2W/(m・K)でガラスと空気の間です。
熱の伝わりやすさというから熱いほうをイメージしがちですが
冷たさが伝わりやすい順番も同じです。
これがガラスよりも窓枠のほうが結露している理由です。
雨戸をあけていると雨戸とガラスの間の空気がなくなるので
ガラスも冷やされガラスの結露の量も多くなります。
熱伝導のはなしで、もうひとつ付け加えると
熱の伝わるスピードです。
熱伝導率によって熱の伝わるスピードは変わります。
熱伝導率が高いほうが熱が伝わるスピードが速いです。
スピードは気温差が大きいほど速く、
気温差がなくなってくると遅くなります。
でもゴールは一緒です。
外の気温が5度で朝晩24時間何日も一定だったら
家の中はみんな同じ温度になります。
現実には外の気温はたえず変化します。
朝は寒いし昼はあったかい。
だから窓の場所によって温度の違いが出て結露の仕方も変わってきます。
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ダイソー結露吸水テープの使い方
まず大前提として結露を押さえることはできません。
結露した水を吸い取る役目です。
ダイソー結露吸水テープはガラスについて以下のような注意書きがあります。
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使い方はガラスに貼るようになっています。
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この写真のように木枠の場合
ガラスよりも熱伝導率が低く
ガラスの方が結露しやすいので
効果が期待できます。
さらに日当たりがよくて日中、窓を開けることができる環境なら
吸水テープも乾くので、この製品の効果が発揮されると思います。
しかしアルミなどの窓枠で
夜、雨戸を閉めている状況だと
ガラスよりも窓枠のほうが結露します。
よってガラスに貼ってもあまり意味がありません。
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ガラスも気になる場合は結露防止シートを使います。
アルミ枠のガラス窓の結露の課題
アルミサッシのガラス窓はガラスよりもアルミのほうが
熱伝導率が高いため冷たくなります。
アルミサッシは外に出てるので
もろに外の冷たさが伝わってきます。
なのでアルミの部分で結露する量が多いです。
特に夜、雨戸を閉めているときは顕著に現れます。
ダイソー結露吸水テープを使った結露対策
ダイソー結露吸水テープをアルミサッシの上に
割りばしに貼り付けて一晩おいておきました。
上が一晩たった時の状態で
下が結露吸水テープをどかしたときです。
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おいていたところは結露していません。
しかし結露吸水テープを触ってみると
あまり濡れてる感じはしませんでした。
多少結露を吸水したかもしれませんが
むしろアルミ枠と空気が触れるのを妨げるため
結露してないと思われます。
この効果を利用したサッシ枠断熱テープが売られています。
これでもいいんですが問題があります。
- テープで貼り付けるので、きれいにはがせない時は
テープが残って不潔。 - 完全に結露しないわけではないので、
濡れたままで、ずっと貼ってると不潔。
サッシ枠断熱テープの欠点を解決するために
結露吸水テープを使います。
結露吸水テープをガラスやアルミサッシに貼らないで割りばしなどに貼り
アルミサッシにおいておき毎回外で干せば清潔に保たれます。
ちなみにダイソーの結露給水テープを貼りっぱなしにしたら、2か月ぐらいでカビてました。
おくだけでは浮いてしまうので、
おもりになるものを上に載っけたほうがいいです。
磁石でくっ付けられればいいんですがアルミは磁石につきません。
アルミサッシの幅は狭いので結露吸水テープを縦に半分に切って
使えば2倍の長さ使えます。
アルミサッシはもともと水が流れることを想定してできているため
水が外に流れるような穴が隅にあいてます。
金属表面はツルツルなのでカビが発生しても、こすればとれるし
わりかしどうにかなります。
問題はアルミサッシと床などの木でできてる接合部分です。
紹介したようにアルミサッシに結露吸水テープをおいておけば
木の方へあふれ出る水を防げます。
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吸水性の高いタオル
ダイソー結露吸水テープでは扱いが結構面倒くさいので
エアーかおるがおすすめです。
・一般的なタオルに比べ吸水力が約60%向上
・速乾(普通のタオルの約2倍)
エアーかおる紹介動画
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モットン除湿シート
こちら本来の目的は布団の下に敷いて使うものですが。
使うのは夏で冬は使わないでしょう。
せっかくなので冬は結露を吸収する目的で窓の下に敷いたりするのはどうでしょうか。
耐久性が高く、吸水・吸湿の繰り返しや天日干しの光による吸水性能の低下がみられないようです。
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根本的に対策したい方はこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
- 結露は空気の温度が下がり飽和水蒸気量が下がるので
空気に含むことができなくなった水蒸気が結露として現れる。 - 結露吸水テープは日当たりのいい木枠の窓には有効。
- 結露吸水テープはアルミの枠で雨戸を閉めて使用する場合
アルミ枠のほうが結露が多いので、ほとんど効果がない。 - 結露吸水テープはガラスの種類によっては使えない。
- ダイソー結露吸水テープは貼らずに
アルミサッシの上においておけば断熱と吸水効果で結露を押さえられる。 - 貼らないので朝になったら外で干せば清潔に使える。
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